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書道反古紙について |
書道反古紙とは何かご存知ですか?
・書道反古紙とは、小学校・中学校・高等学校の書道の授業や書道家から出る書き損じ・使用済みの書道用紙のことです。
・古紙類のリサイクルにおいて、書道反古紙は禁忌品扱い(※1)となっているため、ペーパー資源回収などに出すことはできません。
※1:禁忌品とは、リサイクルできない紙類。または、リサイクルにに支障をきたす紙類。
墨について
墨で書いた文字が何千年も残る事を知っていますか?
下記の墨跡は約1250年前の空海(弘法大師[774-835])の書です。現物が一般公開された際、昨日書いたのではないかと思うほどの鮮明さに驚きました。
空海(774−835) 風信帖 京都 教王護国寺蔵
墨(墨液)は東洋のインクともいわれ、天然素材(すす<炭素>と、膠<動物の皮革や骨髄からとられる強力な糊>)で作られています。
廉価な墨液も、環境汚染につながる物質はほとんど入っていません。
しかし、墨の特性が優れているが故に、脱墨は不可能と考えられ、書道反古紙は再生されずに廃棄され続けてきました。
書道反古紙が年間どのくらい出るかご存知ですか?
教育機関の例
横浜市の小・中学校は合計491校で、当会で試算したところ、少なく見積もっても年間50トン前後の書道反古紙 が出ます。
書道展の例
2万人規模の公募展で、製作に1人あたり約50枚の紙(約1.3キロ)を各々使用した場合、約25トンの書道反古紙が出ます。
書道反古紙がどのように処分されるかご存知ですか?
出品用の書道紙は大変高価です。処分する時にもったいないと感じられる方も少なくないと思います。また書道学習の性質上、膨大な反古紙が出ることになります。
そこで、書道関係の先生方に処分方法をお聞きすると、以下に大別されました。
1、一般可燃ごみ
2、事業ごみ
3、ペーパー資源ごみ
一番多いのは「一般可燃ごみに出す」です。昨今叫ばれているごみの減量化に相反して、耳が痛いところです。
2・3については回収業者によって集められ、専門工場で選別にかけられて、一般的には再生パルプになります。再生パルプは、用途に合わせて十数種類にランク分けされます。書道反古紙がもしAランク(良質)の原料に混入した場合、この再生パルプのランクは大幅に下げられてしまうのです。工場によっては選別の段階ではじかれ、結果的に一般可燃ごみに回ることもあります。
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